上海バンスキング(1984) / Shanghai Rhapsody

昭和10年代、20年代の国際都市・上海を舞台に、ジャズに生き死んでいったバンス(前借り)キングたちの自由奔放な青春を描く。斎藤燐原作による自由劇場の同名ヒット舞台劇の映画化で、脚本は「化粧」の田中陽造と「里見八犬伝(1983)」の深作欣二の共同、監督は深作欣二、撮影は「地平線」の丸山恵司がそれぞれ担当。
キャスト:松坂慶子、風間杜夫、宇崎竜童、志穂美悦子

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上海バンスキング(1984) / Shanghai Rhapsodyのあらすじ

昭和11年夏。マドンナこと正岡まどかが上海にやってきたのは、夫・波多野とパリで新しい暮らしを始めるため、マルセイユに向う途中のことだった。当時の上海は東洋のジャズのメッカで、バンドマンの波多野はジャズを諦めるという約束で彼女の両親に結婚を承諾させ日本を後にしたが、実は上海でのジャズ生活が目的だった。たった一日だけの上海滞在--マドンナはそう思っていたから、波多野の荷物の中からクラリネットを発見した時はショックだった。おまけに上海を出られない事件が起きたのだ。波多野の友人でやはりバンドマンのバクマツこと松本はアメリカ人の顔役ラリーの経営するダンス・ホール「セントルイス」に出演していたが、ラリーの愛人である中国人ダンサー・リリーと恋仲になっていた。ラリーは怒り、バクマツの指を斬るという。しかしマドンナと波多野が「セントルイス」で働くことを条件にバクマツは許されたのだった。翌日から、上海でのジャズに明け暮れる奇妙だが、しかし魅力的な日々が始まる。ある日、かつて日本でマドンナに恋をしていた左翼学生・弘田が「セントルイス」に現われ、彼女に言い寄るが特高に追われ逃亡する。昭和12年夏。めくるめくような一年が過ぎて、バクマツとリリーは結婚することになり、その祝いにバクマツの中学時代の友人・白井中尉がやってきた。しかしすぐ下士官が白井を訪ねてきて、日本と中国との間で戦争が始まったと告げた。日中戦争の戦火は上海にも及び、三ヵ月に渡った戦いが終ると、日本軍による中国人虐殺が始まった。街には日本軍人が溢れ、かつての自由な雰囲気はどこにもなかった。失意の波多野は、ジャズのメッカ、ニューオリンズに帰るというアメリカ人女性スーザンについて渡米するといい、別れの挨拶もそこそこにマドンナを残して上海を後にした。昭和15年秋。ヨーロッパでも戦争が始まり第二次世界大戦が日に日に拡大してきた。マドンナは上海でのひとり暮らしにもやっと慣れてきた。白井中尉はほのかにマドンナに思慕を抱いていたが、やがてソ満国境に配属されていく。そしてバクマツにも召集令状が届いた。そんな時、零落した波多野が帰ってきた。横浜でスーザンに金を持ち逃げされ、日本を放浪していたがジャズが禁止され、嫌気がさして戻ったという。昭和16年冬。ひとりの男がマドンナのところにやってきた。昔の左翼青年広田だった。今は日本軍の特務機関員として中国人抗日分子の摘発を行なっていた。日本軍に接収された「セントルイス」で、ドイツ軍将校の接待をしないか、という。ジャズは禁止され生活に困っていたマドンナとリリーは仕方なくこれに応じるか、とり残された波多野は無聊をなぐさめるため、広田に誘われるままに阿片に手を染めていった。昭和20年。日本は敗れ、広田は中国軍に射殺された。波多野は阿片に溺れ切って死人同然だった。そんなところに、バクマツが帰ってくるという知らせが入った。リリーが大喜びで駅に迎えに行ったが、持ってきたのは白い骨壷だった。汽車から落ちて死んだという。長い戦争が終わりやっと自由にジャズがやれる時代が始まろうとしていた。

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